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掲載日:2018/09/07

帯状疱疹への備え

 80歳までに国民の約3人に1人がかかり、年間患者数が約60万人と推定される帯状疱疹1)、その引き金になるのは免疫力の低下です。50歳代から発症率が急激に上昇することから加齢が大きく関わります。ストレス、疲労、悪性腫瘍、免疫抑制治療なども引き金になると言われています。

1.早く気づきましょう
 疲れている時の、原因不明の痛みは帯状疱疹かもしれません。3〜7日の潜伏期があるため痛みが先行します。痛い部位に発疹が出てくるかどうかをよく観察して、発疹を認めたらすぐに医療機関を受診して下さい。帯状疱疹であれば抗ウイルス薬が必要です。好発部位は胸背部や顔面で、原則として体の片側だけに発症します。

2.強い痛み、長引く痛み
 発疹は水疱疹となり、お互いに癒合して帯状になるのが特徴です。2週間程度で赤黒い瘢痕を残して治癒しますが、問題は痛みです。普通の痛み止め(消炎鎮痛薬)が効かない頑固な痛みには、急性期であっても神経障害性疼痛の治療薬をはじめ、うつ病やてんかんの治療薬、麻薬性鎮痛薬などを効果的に使う必要があります2)。薬のほかには神経ブロックも治療法の一つです。
 3ヶ月以上過ぎてもひかない痛みを帯状疱疹後神経痛と言います。うずくような、締め付けられるような、精神的にまいってしまうような、これ迄に経験したことがない独特な痛みです。50歳以上の症例、広範囲で潰瘍をともなう重症皮疹例、急性期の痛みが強い例では帯状疱疹後神経痛へ移行しやすいことが判っています。痛みの治療に詳しい医療機関の受診をすすめます。

3.新たな治療としてのワクチン
 近年、予防の大切さが強く言われています。日本で開発された小児用みずぼうそうの乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン®)が、2016年3月より50歳以上の方に帯状疱疹予防目的で使用できるようになりました。接種回数は1回、費用は自己負担、医療機関によりますが6,000円〜10,000円です。ワクチンの効果は接種後10~15年くらいです。既に外国ではワクチンの効果が高く評価されています。免疫抑制状態の方にはこのワクチンは使用できない、などの制約はありますが、50歳を過ぎたら医療機関で相談して帯状疱疹予防に備えて下さい。

[出典]

1)宮﨑県の帯状疱疹の疫学(宮﨑スタディ):LASR 34:298-300,2013
2)一般社団法人日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ:神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン.31-32,2017年7月20日発行,真興交易(株)医書出版部

[執筆者]
名古屋市立東部医療センター 名誉院長 津田喬子
          (麻酔科・ペインクリニック)

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

疲れているときの原因不明の痛みは帯状疱疹かも知れません

帯状疱疹予防目的でワクチンが使用できるようになりました

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2018年9月時点のものです。

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