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掲載日:2018/11/12

指の痛みについて

日常生活において使うことの多い手。指の痛みの原因となる疾患についてまた注意を要する状態について記します。

 手は日常生活においても仕事の作業においても使うことの多い身体部位です。今回は手指の痛みの原因となる疾患について、また注意を要する状態について記します。
 
 手指の関節は指節間関節(IP関節)と呼び、指の先の遠位指節間関節(DIP関節)と掌に近い近位指節間関節(PIP関節)、指の付け根の中手指節間関節(MP関節)、母指の手根中手関節(CM関節)があります。(図1参照)
 痛みは一般に手に力を入れた時に始まり、徐々に痛みが起こり易くなって、夜寝ていても痛いなどへと進行します。こうした痛みをもたらす疾患としては大きく二つの種類があり、使いすぎや加齢による変性疾患と炎症性疾患があります。

 変性疾患としてDIP関節の関節症であるヘバーデン結節(図1)があります。45歳以上の女性に多く、最初一本の指に起こり、徐々に他指、反対側に及びます。関節の発赤、腫張、疼痛が数ヶ月から数年続き、多くの場合関節の拘縮と変形を残して痛みは消退します。このため、湿布や塗り薬などの保存的治療がなされることが多く、手術療法としては疼痛除去の目的での関節固定術があるのみです。母指のMPやCM関節にも同様の変化が起こります。当初は湿布や塗り薬、装具(図2)を用います。特にCM関節では亜脱臼が起こって生活に支障が出ると関節固定術が行われることもあります。
 
 ばね指は指の屈筋腱とその腱鞘の変性と屈伸運動による機械的刺激によって起こり、中年女性に発症しやすい病態です(図3)。手指の屈伸時のひっかかりや伸展障害があり、湿布などで軽快しないときは腱鞘内注射が行われます。注射の効果は通常1〜数ヶ月続きますが、これを繰り返すようになると、腱鞘切開術という外来手術が必要になります。

 炎症性疾患としては上記のへバーデン結節と区別がむずかしいことがある関節リウマチについて記します。
 関節リウマチは全身性の自己免疫疾患ですが、初期症状として手指の関節が腫れて痛む、朝方こわばるなどが起こります。症状が左右対称に出ることが多く、PIP関節やMP関節が同様に痛むこともあります(図4)。
 これらが6週間以上続いた場合は関節リウマチの検査をお薦めします。腫張や疼痛がある時期には湿布や内服薬、変形が進んで動揺性を来した時には装具療法(図2・5)や手術が行われます.
 関節リウマチは一般的には20〜30代の女性で発症しやすい疾患ですが、最近では高齢発症例も多くなっています。また、現在、世界的に関節リウマチの早期診断、早期治療開始が推奨されており、骨変化が出る前に疾患活動性を抑えることが大切となっています。検査は血液検査と画像診断(超音波検査、X線検査、MRIなど)で、昨今、多くの抗リウマチ薬が保険適用となり、リウマチは治せる病気になってきました。
 このような症状に気付いたときは早めに一度受診して確かめましょう。

 以上、簡単によくある手指の病気について説明しました。
 症状が出たら、まずは無理をしないようにして、一度は整形外科に受診されることをお薦めします。

[出典]

手の外科の実際 改訂第6版

[執筆者]孝友クリニック 大藪直子

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

図1~図3

図4~図5

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2018年11月時点のものです。

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