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掲載日:2019/07/10

骨盤臓器脱

ひとりで悩んでいませんか?尿が出にくい陰部の不快感

 骨盤臓器脱とは、お産による骨盤内支持組織の裂傷や加齢などが主な原因で、膣口から子宮・膀胱・直腸などが脱出する女性特有の疾患です。骨盤臓器脱は外陰部違和感・下垂感や排尿困難・頻尿・尿失禁・便秘などの症状を伴うことが多く、入浴時や排便排尿時に膣口にピンポン玉のような腫れ物(腫瘤)を触り気づかれることが多い疾患です。

 骨盤臓器脱の治療は、保存的治療(リングペッサリー、サポート下着、骨盤底筋体操)と手術療法に分かれます。
 名鉄病院では中部地区において先進的に平成24年より女性泌尿器科センターを開設しました。骨盤臓器脱の患者さま全体をサポートするため、手術療法のみならず、骨盤底筋指導外来を開き、理学療法士による手術前後の骨盤底筋体操や骨盤底筋体操教室を開催しています。

 手術療法については、平成16年に、従来の手術方法に比べ身体への負担が少なく(低侵襲)再発率の低いメッシュを使用するTVM(Tension-free Vaginal Mesh)手術がフランスで開発され、平成17年に日本に導入されました。名鉄病院でも平成30年5月まで約1,000例施行し、良好な手術結果を得ています。
 更に子宮筋腫や卵巣良性腫瘍の合併された骨盤臓器脱の患者さまに対して、平成24年12月から腹腔鏡下に子宮筋腫や卵巣腫瘍の摘出と同時に骨盤臓器脱をメッシュで吊り上げる腹腔鏡下仙骨膣固定術を開始しました。平成26年4月から保険適応となったため、子宮筋腫や卵巣良性腫瘍の合併のない骨盤臓器脱の患者さまにも広く行うことができるようになりました。この手術は、膣壁に傷をつけないためTVM手術と比較して性生活への悪影響の心配がないことが特徴です。TVM手術が禁止されている50歳以下の患者さまにも適切な手術です。平成30年5月までに約660件施行し、現在も毎月10~20件施行しています。入院期間は両手術共に7日間です。

 近年、アメリカFDA(Food and Drug Administration)より、メッシュ関連合併症に関するTVM手術への警告を受け、わが国でも腹腔鏡下仙骨膣固定術が増えており、TVM手術で問題視された性交痛の軽減が期待されています。

[出典]

【執筆者】
 名鉄病院泌尿器科 部長 荒木 英盛

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

骨盤臓器脱とは、膣口から子宮などが脱出する女性特有の疾患です。

入浴時などに膣口の腫れ物に触れて気づくことが多いです。

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2019年7月時点のものです。

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