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掲載日:2017/07/26

尿の切れが悪くて悩んでいませんか?

中高年男性に多い「排尿後尿滴下」について

 泌尿器科を受診する男性患者さんがよく訴える症状に「先生、オシッコの切れが悪いんです」というものがあります。患者さんが「切れが悪い」と言う場合は注意が必要で、尿の勢いが悪くなかなか尿が出切らないという症状と、排尿が終わったあとに尿がちょっと漏れてしまう症状の二つの意味があり、それぞれ病態が違うためにしっかり区別することが重要です。前者は前立腺肥大症の症状であることが多いのですが、後者は前立腺肥大症の有無にかかわらず出現する症状で、医学的には「排尿後尿滴下」、英語ではPMD(post micturition dribble)と呼びます。尿漏れと言うと女性に多い印象があるかもしれませんが、実際には多くの男性にこの症状があり、日本で行われた調査によれば、40歳代の13.6%、50歳代の39.0%、60歳代の44.2%、70歳代の41.2%にこの症状がありました1)。排尿後尿滴下があっても問題視して泌尿器科を受診する人は少ないため、今まであまり問題にされてこなかった症状ですが、生活の質を低下させる症状として最近注目されています。原因は、陰茎の付け根付近の尿道を取り囲む球海綿体筋が、排尿の終わる時に十分収縮しないためにこの部分に尿が残ってしまうためであり、老化現象の一つと考えられています。
 治療には、二つの方法が有効です2)。一つは「ミルキング」と呼ばれる方法です。排尿後、多くの男性は陰茎を振って尿を切っていると思いますが、この方法だけでは陰茎の付け根付近に残った残尿を出すことは困難です。ミルキングは文字通り、排尿後に牛の乳をしぼるように陰茎をしごいて尿をしぼり出します。陰茎をしごくだけでは不十分な場合も多く、その場合は陰嚢より後ろの会陰部に指を当て、陰嚢から陰茎の根元までを大きくこすります。パンツで陰茎根部が圧迫されていると残尿が出にくいため、しっかりパンツを下すことも重要です。もう一つは「骨盤底筋体操」です。これは女性の尿漏れ対策にもよく使われるトレーニングで、肛門に力を入れて閉めることで球海綿体筋の収縮力の回復を図るものです。肛門を3~5秒間閉める運動を20回続けて1セットとし、これを毎日3~4セット続けると効果があります。
 これらの処置やトレーニングでも症状が改善しない時は泌尿器科専門医の診察が必要です。

[出典]

1)日排尿会誌. 2013; 24(2):366-369
2) Br J Urol. 1997;79(6):892-7

〔執筆者〕
愛知医科大学病院 泌尿器科 金尾健人                                 

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

排尿後「あれ?」と思うことはありませんか。

「排尿後尿滴下」には日々のトレーニングが有効です。

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2017年7月時点のものです。

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