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掲載日:2017/11/28

高齢者が転倒して歩けなくなったら

大腿骨頸部骨折について紹介します

 高齢者が転倒して骨折する中でもっとも多いのが大腿骨頸部骨折です。症状としては股関節部(脚の付け根)に痛みがあり、ほとんどの場合、立つことや歩くことができなくなります。
 この大腿骨頸部骨折は、骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者に多発することで有名ですが、わが国でも年間約10万人発生していると推計されており、多くの方が骨折を契機に寝たきり、閉じこもりになってしまうので社会問題となっています。
 もし高齢者が転倒して股関節痛があり、立てなくなったら第一にこの骨折の可能性が高いため、すみやかに整形外科を受診し、レントゲン診断を受けてください。医学的には、大腿骨頸部骨折は関節の中で折れる場合(大腿骨頸部内側骨折)とそれよりもう少し膝側の関節外で折れる場合(大腿骨頸部外側骨折または大腿骨転子部骨折)の2つにわけられます。
 治療は、患者さんを受傷前の状態にできうる限り復帰させることが目的です。骨折の状態にもよりますが、ほとんどの場合、手術治療が選択されます。手術方法は、骨接合術または人工骨頭置換術が選択されますが、術後は早期荷重を開始し、1日も早く歩行可能とするようにリハビリを行います。
 かつては手術をしない治療(保存的治療)も選択されていましたが、早期荷重ができないため、寝たきりになり、肺炎や尿路感染症、褥瘡などのさまざまな合併症の危険性が高いため、現在では手術治療が第一選択になっています。
 骨折の予防としては、折れにくい骨を作るという意味で、骨粗鬆症の治療を行うことと、転倒しにくい環境を整えることの2点です。骨粗鬆症の治療は、食事療法、薬物療法、運動療法からなりますが、とくに女性の場合には更年期以降に骨粗鬆症の頻度が増加しますので、普段から骨粗鬆症検診を行っておくことが大切です。

[出典]

日本整形外科学会ホームページ

[執筆者]
名古屋市立東部医療センター 整形外科 吉田 行雄

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

大腿骨頚部内側骨折

大腿骨頸部外側骨折

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2017年11月時点のものです。

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