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掲載日:2017/12/05

謙信公の息切れ!

心臓弁膜症について

今年の7月より少し変わったCMが流れている。
上杉謙信と武田信玄の掛け合いである。
以下CM内容より
 武田信玄:戦じゃー!迎え撃てー!
 上杉謙信:はあ、はあ、ちょっとタンマ
 武田信玄:どうしたの?どうしたの?お前
 上杉謙信:ちょっと動くと息切れするし、疲れやすくて、もう年だわ
 武田信玄:それ、ほんとに年のせいか?
 上杉謙信:えっ
 武田信玄:弁膜症のせいかもよ

 息切れは心不全の原因となる弁膜症のサインかも
 武田信玄:高齢者に進言を!
 上杉謙信:早めに検診を!

ACジャパンの支援キャンペーンとして日本心臓財団がテレビ、ラジオ、新聞広告を通じて発しているものであり、1年ほど続けるらしい。結構インパクトが強く印象に残るものであるが、弁膜症とは?検診でわかるのか?などの疑問がわいてくる。
そこで今回これをひも解き、簡単に弁膜症について解説することとした。

●心臓には4つの部屋(2心房・2心室)と4つの扉(弁膜)がある。
これは昔理科で習ったとおりである。扉とは各部屋の出入り口(心臓では基本的には一方通行なので出口)にあるドアのことを言い、右房には三尖弁・右心室には肺動脈弁・左心房には僧帽弁・左心室には大動脈弁があり、血液が逆流するのを防いでいる。この扉がうまく開け閉めできなくなり、血液の流れがうまくいかなくなった状態が弁膜症である。開口部が狭くなり出にくくなれば狭窄症、扉の効果がなくいったりきたりすれば閉鎖不全であるが、どちらも存在すれば狭窄兼閉鎖不全である。勿論生まれつき扉の建付けがうまくいっていなければ先天性ということになるが、近年長寿の方が増え長年扉を開け閉めしているうちに、扉の建付けも悪くなり動脈硬化性の弁膜疾患が増えることになる。信玄公はこれを指摘している。

●心雑音
開口部が狭くなり無理やり送ろうとすれば収縮期雑音、行ったものが帰ってくれば拡張期雑音となり、いずれにしても弁膜疾患では心雑音が出現してくる。検診を受ければ心臓の聴診で指摘されることとなる。

●心電図異常     
弁膜疾患ではいずれ送り出す部屋にも異常を来し、強い圧で送ろうとするため部屋の壁が厚くなったり、うまく送り出せず拡がったりする。これらはいずれも心電図異常を来すようになり、やはり検診で指摘されることになる。

●症状
心臓は例えると自動車のモーターあるいは単純なポンプである。モーターがうまくいかなければ坂道も上がれず、動きもガタガタとおかしくなる。息切れや全身倦怠、動悸といった不整脈も出やすくなる。謙信公の症状である。

●弁膜症の治療
基本的には扉の付け替えであり、手術となる。特に大動脈弁、僧帽弁は左心系すなわち全身へ血液を送る重要な働きをしており、扉の付け替え;弁膜置換が必要となる。昔は弁膜置換となると大きな手術で危険を伴っていたが、近年は高齢でも内科的にカテーテルで施行したり、また心臓の保護など手術自身高度に発展し、治癒率の高い疾患となった。扉さえ交換すれば、また長い間心臓はうまく働いてくれる。

大事なのはいつ扉を交換するかの判断となる。部屋に負担が来て部屋自身が傾いてしまえば、扉の交換どころではなくなるのだ。
そう言った意味で最後の二人の言葉
 武田信玄:高齢者に進言を!
 上杉謙信:早めに検診を!
は大いに意味があり、正しいと言えるのである。

[出典]

[執筆者]
真清田クリニック 纐纈 雅明

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2017年12月時点のものです。

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