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掲載日:2018/02/23

おねしょを早く治そう

~夜尿症の最近の治療指針~

 夜尿症は5歳を過ぎても睡眠中におしっこをもらし、着衣や寝具を汚す症状です。夜間の尿量が多い、膀胱の容量が少ない、眠りが深く尿がたまっても目覚めないことが原因です。子どもの数%にみられ、全国で80万人ほどの患者がいます。アレルギーに次いで頻度が高い慢性病です。幼児は生理的ですが、学童は治療の対象になります。宿泊体験が近づくと親子とも気がかりです。
 治療指針は改訂されました。まず行動療法です。夕方からの水分摂取を抑えます。夕食は就寝2時間前にとり、その後はコップ1杯までに。寝る前はしっかり排尿します。夜間起こしてはいけません。規則正しい排便習慣をつけ、寒季は布団を重ね、カイロなどを利用して下半身を温めます。こうした注意を守り、失敗しない日が増えたら「えらいね」とほめます。
 それでも週に3日以上ぬらす場合は医療を施します。夜のおしっこ量が多い型は抗利尿ホルモン製剤です。毎晩就寝前に舌下に置き、水なしでトローチのようになめるとすぐに尿量が減ります。副作用はまれですが、水中毒に注意すべきです。体内に水がたまり、頭痛や吐き気がします。服用前の飲水量を200ml以下に控えれば大丈夫です。簡便に使えて携帯にも便利です。
 膀胱に尿をためられないタイプはアラーム療法です。センサーを下着に装着し、ぬれたとき受信器が感知して、音や振動がでて知らせます。起こすのではなく、少し驚かせて膀胱に尿を貯える力をつけることがコツです。次第に容量が増加します。ただ、医療機器と認可されていないので、購入もレンタルも自費でコストはかかります。親の協力は不可欠です。いくらか負担を感じるため、治す意欲がある子に用います。
 どちらも70~75%の有効率です。効果不十分なら両方組み合わせます。夜尿症は自然に治る病気ですが、治療すれば3倍早く、2年でおよそ7割、3年で8割完治します。病児は見ちがえるように明るくなり、積極的に勉強し、宿泊に参加します。心身の健康に有益です。高学年生は部活で水分規制がむずかしく、10歳前に治療を開始するのが適切です。

[出典]

夜尿症診療ガイドライン2016 日本夜尿症学会編集 診断と治療社

[執筆者]
三菱名古屋病院 小児科 岩間 正文 

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

夜尿症診療ガイドライン2016(改訂版)

  アラーム

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2018年2月時点のものです。

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