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掲載日:2018/02/22

息切れがする

~COPD(慢性閉塞性肺疾患)について~

 ちょっと息が切れる、それを放置していませんか?
息切れの原因はいろいろありますが、高齢者では心不全のはじまりとして注意が必要ですが、案外、呼吸器疾患のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が見逃されている場合があります。心不全とともにCOPDの合併も鑑別する必要があります。

 COPDの多くはタバコの喫煙による慢性気管支炎や肺気腫が原因となり、息切れが進行してからでは治療が困難となりますので、肺機能検査を受けてCOPDかどうかを見極める必要があります。同じ息切れでも心不全とCOPDとでは治療法が異なるからです。

 「健康日本21」第二次改定(平成25年4月1日から適用)では、がん、循環器、糖尿病に加えて、初めてCOPDが主要取組疾患に加えられました。その目標は「COPDの認知度の向上」であり、現状の認知度25%を、10年後の平成34年度には80%とすることとしています。

 COPDはまだ多くの方が診断と治療を受けていないことが問題となっています。治療を受けているCOPD患者数は2005年の厚労省統計によれば22万人と言われていますが、2000年のNICE Study(Nippon COPD Epidemiology Study)調査では推定患者数は530万人であり、22万人は氷山の一角です。すなわち、95%以上の患者さんは診断されずに未治療のままであり、この潜在的なCOPD患者を掘り起こすことが課題となっているのです。

 現在喫煙している患者、ならびに過去に喫煙していた患者のCOPD有病率はともに約12%(8人に1人)です。年齢別の有病率は、60歳代では12%、70歳以上では17%がCOPDであると報告されており、決してまれな病気ではなく、むしろよくある疾患なのです。

 COPDは死亡率の高い疾患です。WHOの報告によれば、COPD患者は全世界で2億人、そのうち年間の死亡者数は300万人と推定されています。その世界死亡原因ランキングは、1990年に第6位でしたが、現在は第4位、今後対策が行われないと2020年の東京オリンピックには第3位に上ると推測されています。

 日本では、喘息は適切な薬物治療により死亡者数が減少傾向ですが、COPDは増加傾向にあります。2015年には約16,000人に上り、死亡順位は第10位でした。

[出典]

[執筆者]
愛知県内科医会 安藤 忠夫

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

喫煙はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因となります

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2018年2月時点のものです。

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