ビデオ健康塾 一覧

ご利用案内

  • 診療科目
  • 関連テーマ

掲載日:2018/05/15

知らないと怖い性感染症(梅毒)について

急速な広がりをみせる梅毒と性感染症の予防について

 性感染症とは主に性行為によって伝染する病気の総称であり、1990年頃までは性病と呼ばれていました。
 その中で代表的なものは、梅毒、後天性免疫不全症候群(エイズ)、クラミジア感染症、性器ヘルペス等ですが、全体では20種類以上の病気が存在します。
 2017年の厚生省の統計では、梅毒の本邦における年間患者数が5,700人を超え、5年前までの5~6倍に増加していることは注目すべき事実です。また性感染症には症状が出やすい病気もありますが、エイズのように感染の初期段階では症状の出にくい病気も多くあるため、日常生活における注意が必要です。        
 本稿では、近年に急速な広がりをみせる梅毒についての解説と、性感染症の予防についてのポイントをお話させていただきます。

 梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体が皮膚や粘膜から侵入することで感染する病気です。3週間ほどの潜伏期の後、感染部位に「しこり」や「潰瘍」ができてきます。しかし、痛みを伴わないことが多く、しばらくすると消失するために医療機関への相談が遅れることも少なくありません。その後は全身に広がり、皮膚や粘膜の発疹を生じます。さらに未治療の場合は晩期梅毒となります。 治療には抗生剤(ペニシリン)の投薬が有効であり、検査値が十分に低下していれば治癒と判断します。
 その他に注意すべきことは、①複数の性感染症に同時に感染している例が少なくないため、他の性感染症(特にエイズ)の検査を受けておくことが望ましい。②母子感染による先天梅毒の報告が本邦でも年間10~15件ほどあり増加傾向にある。③治療が終了しても、再感染することがあるので経過観察が必要。④症状が全く無いが検査で陽性となる無症候性梅毒というケースが、日本国内で年間800~1200人ほど報告されている。の4点が挙げられます。

 次に性感染症の予防についてお話します。
 多くの性感染症は皮膚や粘膜の傷(目に見えない微細な傷も含む)から病原体が侵入することで感染するので、局所に痛み・かゆみなどの症状のあるときには接触することを避けましょう。また女性においては、出血や異常なおりものがある時も避けるべきです。これは既に性感染症に感染している場合には、エイズの感染リスクが2~5倍に上がることが報告されているからです。
 コンドームは有効な手段としてその適切な使用を強く推奨しますが、性器ヘルペスやコンジロームなどの広範囲に病変が存在するケースでは効果が不十分です。またパートナーが頻回に替わる場合や複数の相手と接触することは、感染の機会が増えるだけでなく感染を拡大すると考えられるので、十分に注意するとともに定期検診を受けてください。
 感染しないためには感染者との性的接触を持たなければ良いといえますが、スキンシップの全く無い生活を実践するのは非現実的です。性感染症に対する正しい知識を持ち、少しでも症状のある場合や不安に思う場合は早めに医療機関にご相談ください。

【参考にしてほしい関連情報】
③NIID 国立感染症研究所ホームページ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/syphilis.html?start=3
④厚生労働省ホームページ 梅毒に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda2.html
⑤日本性感染症学会ホームページ 予防啓発スライド(中高生向け)
http://jssti.umin.jp/index.html


[出典]

①日本性感染症学会誌 第27巻 第1号 supplement
  性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016
②日本医師会雑誌 第146巻 第12号
  特集 性感染症-今、何が問題か
③NIID 国立感染症研究所ホームページ
④厚生労働省ホームページ 梅毒に関するQ&A
⑤日本性感染症学会ホームページ 予防啓発スライド(中高生向け)
  
[執筆者]
愛知県産婦人科医会 健康教育担当理事 飯田忠史

[監修]公益社団法人 愛知県医師会

国内梅毒患者は5年前より5~6倍に増えています。

性感染症に対する正しい知識を持ち予防につとめましょう。

[このページの内容に関する留意点]

ご紹介している健康情報は2018年5月時点のものです。

健康コラム一覧に戻る